同窓会長よりご挨拶
今年度は群馬県立大泉高等学校創立110周年記念式典が行われました。来賓、在校生合わせて630名の方に参加して頂き、まことにありがとうございました。
本校は明治45年、東毛の穀物地域の館林の地に群馬県立館林農業学校として、農業者育成と東毛地域の発展のために設立、開校されました。大正12年には時代と地域の要望を踏まえて現在の地に移転し、校名を群馬県立小泉農業学校とし、昭和23年、新学制により群馬県立小泉農業高等学校と改称いたしました。昭和37年、群馬県立大泉高等学校と校名を改称し、その後、学科等の変遷を重ねつつ発展し、現在に至っております。開校以来、農業はもとより地域で期待される幾多の有為な人材を輩出し、創立110周年を迎えることができました。その間、2万名を越える卒業生が、各地・各界で活躍されており、農業人材を核とする多くの人材を送り出してきたことは母校にとっても、在校生はもちろん同窓生にとっても誇りとするところであります。母校の連綿と続く郷土愛と誇り、そして伝統が引き継がれる中、母校が東毛地域の発展のために人材育成を通じて社会貢献をしてきたことは誠に喜びにたえません。
この110年の歴史を振り返りますと、多くの時代の変遷があり、明治、大正、昭和、平成、令和と5つの激動の時代を駆け抜け、多くの多難を乗り越えてきました。近年では新たなウイルスに脅かされ、自粛生活を強いられています。
また、農業情勢に目を向けてみますと、ここ最近の農業を取り巻く環境はとても変化しました。異常気象による作物への影響、新型コロナウイルスによる物流の遅延、また物価上昇や重油、肥料等の高騰で農業経営が厳しい状況下におかれています。その他にも農業従事者の担い手の減少、耕作放棄地の増加、TPPによる価格競争等の課題も見受けられます。これらを解決するには、持続可能な農業の実現が大きいとされ、ロボット技術やICTを活用したスマート農業といった最先端技術の導入も推進されています。
さて、今日、我々の学びし農場や畜舎はその時代、社会の変遷とともに形を変え、より細分化、深化しその教育レベルの高さは目を見張るものがあります。
現在、母校は、生物生産科、グリーンサイエンス科、食品科学科、普通科の4学科を擁し、「愛校、礼儀、責任」の校訓の下、生徒は充実した学習環境において、勉強、部活動等に勤しんでおります。造園デザインコンクールや英語スピーチコンテストでは全国最優秀賞を受賞するなどの活躍も目立ちます。
不易流行という言葉に象徴されますように、学び舎で学ぶ生徒達の向学心と仲間同士の連携は、どんなに時代が移り変わっても今も昔も変わらぬものがあり、若く多感な時期にこの学び舎で苦楽を供にした仲間は、人生における最も貴重な財産でもあります。学び舎を後に社会へ巣立っても深い繋がりは切れることはありません。そして2万余名の同窓生の繋がり上に、この110年の歴史が刻まれています。次の100年へ向けて新たな伝統と歴史を築き上げ、母校が更に発展できますよう、向学心と仲間同士の連携を大切にし、互いに切磋琢磨し、後輩である生徒諸君が一層、活躍することを期待しております。
同窓会といたしましても、母校発展のため、創立110周年記念事業として体育館に暗幕等を整備するとともに、記念式典を挙行いたしました。
このように110周年を迎えられたのも関係機関ならびに地域社会や多くの先輩諸氏の母校に寄せられた深いご理解とご協力の下、先生方の熱意ある永年にわたる努力の賜であり、心から深く感謝を申し上げます。
結びに110年の歩みに、万感の思いで敬意と感謝を申し上げ、そして次の100年へ、これからの母校繁栄を衷心より御祈念申し上げ挨拶といたします。