頑張る先輩方 頑張る先輩方 山田 博之 2023.5.29 「私の音楽の原点 大泉高校」 陸上自衛隊 第十二音楽隊長2等陸尉 山田 博之(S57農34卒) 私は昭和五十七年三月、大泉高校を卒業し陸上自衛隊に入隊しました。 小中と軽音楽が好きで、ギターを趣味としていましたが、高校では当時吹奏楽部の活動が盛んだったこともあり、三年間在籍し吹奏楽コンクールや定期演奏会等様々な経験をすることができました。部活の同級生や先輩後輩との音楽活動は毎日が充実し、楽しい思い出です。五年上の先輩が音楽隊に所属していたことや、当時の吹奏楽部顧問恩師、故関谷先生の強い推薦もあり、卒業と同時に自衛隊音楽隊の道に進むことができました。 音楽隊は音楽演奏を主たる任務とし、地域の皆さまや、国民の皆さまに自衛隊をより身近に感じていただくとともに、更なるご理解を得るため年間約八十回の演奏活動を行っている部隊です。 高校時代の経験をもとに演奏者とし取り組んできた私でしたが、幹部昇任試験の機会をいただき、平成二十二年音楽科幹部として指揮者の道を歩むことになりました。 東京練馬区の中央音楽隊、山形第六音楽隊副隊長、青森第九音楽隊隊長、帯広第五音楽隊隊長、再び中央音楽隊教育科教官の勤務を経て、令和三年三月より音楽隊員としての原点、演奏者として長年勤務した第十二音楽隊の隊長として現在に至っています。 隊長の仕事は、自衛隊の指揮官としての一面と、演奏業務における指揮者としての一面があります。指揮官としては、部隊の管理者(責任者)として、所属する隊員の全てに責任を持ち、任務を完遂できる精強な隊員の育成のため、日々の練成訓練、隊員個々の心情把握や健康管理、服務指導等多岐にわたります。指揮者としては、予定される演奏業務成功のため、事前練習において使用する楽曲を仕上げる責任があります。プロの演奏団体として、来場される聴衆の皆様に感動をお届けし、自衛隊に対する信頼や親近感を獲得することに全力を尽します。失敗できない厳しい一面がありますが、大勢のお客様の前で演奏できること、学生時代から続けてきた音楽を活かせることは、とても幸せなことだと思っています。 私はこの夏で六十歳を迎え自衛隊を定年退職します。気が付けば入隊から四十二年を数えます。今まで転勤が多く家族に迷惑をかけましたが、それぞれの土地での仲間との出会いはかけがえのない宝であり、その経験は私の大きな財産となりました。これまで出会った上司、同僚、部下隊員等多くの人たちに支えられ助けていただき今があります。今後はこれまでの経験や知識を活かし、学生に対する吹奏楽指導や指導者へのアドバイス等、育てていただいた感謝を形として地域社会に還元したいと考えています。 結びに、今回このような機会を与えていただいたことに心から感謝申し上げますとともに、大泉高校関係者皆様のご健勝を祈念いたします。 令和4年度 第3学年 進路状況 令和5年度 農業クラブ全国大会 熊本県大会